会社員を辞めて独立した頃に本屋で見かけて、「まさにいまの自分にぴったりじゃないか」ということで何気なく購入したこちらの本。
書店でも、今だに平積みされているくらいよく目にします。
個人事業主のような1人経営者にとって勉強になることが数多く書かれていました。
本記事では、「社員ゼロ! 会社は「1人」で経営しなさい」を読んでみた感想や参考になった箇所をまとめたいと思います。
「会社は1人で経営しなさい」の概要
「会社は1人で経営しなさい」の概要を紹介します。
- これからの日本経済と会社について考えよう
- 会社を大きくしてはいけない
- 1人会社の「お金」について考える
- 1人会社の時間の使い方
- 1人会社をずっと継続させていくには(まとめ)
「会社は1人で経営しなさい」では、これからの時代は規模を大きくし右肩上がりに事業を拡大していくのではなく、あえて「1人で経営し地道に稼いでいく」ことを推奨している本です。
経営者となれば「事業を大きくして、たくさん稼いで贅沢な暮らしをしたい!」という欲望があると思います。
しかし、「身の丈に合わせた経営で最低限稼ぎ、好きなことをやりながら、楽しく人生を送ることもできるんだよ」という意見が印象的です。
そのような1人会社を経営していくのに必要なことは何か?
税理士でもある著者が、経営コンサルタントとして1人会社に携わってきた経験や、著者本人が1人会社を10年以上運営してきた経験をもとに、「1人会社」を運営していく秘訣を公開しています。
1人ビジネスをしている自分が参考になったところ
1人ビジネスを行っていく上で参考になったポイントを紹介します。
1人経営では「いかに労働時間を減らして稼ぐか」がポイント
ひとり会社の社長は、働かずに自由な時間を作り出し、そこで新しいことやモノを生み出すことが大切です。
変化率が大きくなってくるこれからの時代、一つのところで労働に時間を割いていたら、自分が変化することができなくなり、時代に置いていかれるでしょう。
「いかに労働時間を減らして稼ぐか」ということを追求していけば、結果的に時間当たりの稼ぎ(利益)が大きくなっていくはずです。」
確かに、1つのことにばかりに時間を取られていると、他のことに手が付けられなくなってしまいます。
それだと、ずっと同じことをし続けているだけで、仕事の幅も広がっていきませんよね。
労働時間をいかに減らすかは以下の2点が重要。
- 仕事の生産性を上げること
- 自分以外のだれでもできる仕事は、できるだけシステムや他の人(外注)に任せること
今の自分にまさに当てはまることで、改善しなければいけない箇所でした。
逆算式経営計画〜家計からの逆算で必要売上高を決める〜
ひとり経営の強みは、家計と結び付けて経営を行うことができること。
まずは個人の会計をしっかりして、どのくらい自分の給料が必要か、そのためにはいくら売り上げが必要か、といった計画を立てることが重要です。
1人経営では、「家計と一体となって経営数字を考える」ことができるのがメリット。
家計からの逆算で必要売上高を決めていく「逆算式経営計画」がおすすめとのことです。
具体的には、生活費、税金、投資・貯金の額を計算して、どのくらい売り上げ・利益が必要かを求めて資金計画を立てていくことです。
著者曰く、1人経営のキモといっても過言ではないくらい重要なポイントになるとのことでした。
家計からの逆算という考えはなかったので、参考になる部分でした。
コストダウンは徹底すること
また、資金繰りに困らないためにも「身軽であること」も1人経営のポイントとなっています。
固定費が大きいと、売り上げが少なかった場合に利益を圧迫してしまうので、家計、事業のコストダウンを徹底することは重要とのこと。
固定費の削減に関しては、自分は結構いい加減なところがあるので、意識しなければいけないところでした。
まとめ
「社員ゼロ! 会社は「1人」で経営しなさい」を読んでみた感想や、参考になった箇所を紹介してきました。
著者のすすめる「1人経営」は、誰かに頼るのではなく自分一人の力でお金を稼いでいくということ。
これは、将来AIにとって代わられる時代がくる中で、会社にしがみつくことなく「自分一人の力で稼ぐ力」を身に付けてほしいという著者のメッセージでもあります。
また、「贅沢をするわけでもなく、好きなことでそれなりに稼いで、自由な時間を楽しもう!」という、著者のスタンスにはとても共感できました。
会社員時代は、特にやりがい・楽しみのある仕事をしていたわけでもなく、残業もそれなりにある環境でした。
独立して個人事業主となった今、一番のメリットと感じているのは、
楽しみを感じる仕事でお金を稼ぎ、自分の好きな時間に好きなことができる
ということ。
働く時間も自由、趣味に費やす時間も自由、すべて自分で決めることができます。会社員では、決して味わえないことだと思っています。
自由といっても働かなければ収入は途絶えてしまうので、やるべきことはやらなければいけまんせが。
正直なところ、個人事業主になると将来への不安もありますが、「なんとかなるよ」と少し後押しされた感じがします。
会社員から独立しなければ読まなかったであろう本ですが、非常に勉強になりました。
独立されたばかりの方にとっては、参考になる部分があるはずです。
本記事で紹介した以外にも、1人経営をしていく上で、以下のようなことが気になっている人は参考になることが多いかと思います。
- これからの時代、会社を大きくしていくことのデメリットとは?
- ひとり会社の利点を生かしたキャッシュフローとは?
- ひとり会社の社長として、生産性を高めるにはどうすればよいか?
- ひとり会社を継続していくためのポイントとは?
社員ゼロ・1人経営をしている人にとって、まさにバイブル的な書籍といえます。気になる方はぜひ読んでみてください。
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