- 個人事業主はしんどい…
- 個人事業主はやめとけ
個人事業主についてネットで検索すると、そんな言葉が目に入ってくることがありますよね。
正直に言って、その意見はある意味で正しいです。フリーランスとして8年活動してきた私も、「個人事業主はしんどい」と感じたことはたくさんあります。
ですが不思議なことに、一度も「会社員に戻りたい」「この働き方を辞めたい」と思ったことはありません。
ではなぜ、僕は会社員に戻らず、この働き方を続けているのか。
この記事では、個人事業主のリアルなしんどさや、それを乗り越えるためのコツと個人事業主の最高の魅力について解説したいと思います。
なぜ「個人事業主はやめとけ」と言われるのか?5つのしんどい現実
「個人事業主はやめとけ」と言われるのには、もちろん理由があります。
私がこの8年間で実際に感じてきた、5つのしんどい現実についてお話しします。
収入の不安定さ
個人事業主は、毎月決まった日に給料が振り込まれる安定感はありません。
会社員のように固定給ではなく、仕事の量や受注タイミングなどによって月ごとの収入が変動するからです。
今月は順調でも、「数ヶ月先の仕事の保証はどこもにない」という人は多いのではないでしょうか。
私自身、案件が途切れて収入がゼロになった月も経験しています。
このお金の不安は、リタイアできるくらいの資産がない限り、常に心のどこかにあるものです。
税金という現実の重み
個人事業主として活動するのであれば、税金を自分で納付する必要があります。
会社員時代は給料から税金が天引きされていたため、自分がいくら税金を納めているか意識することは少なかったかもしれません。
しかし、個人事業主になるとその現実に直面します。
確定申告後の所得税、消費税(売上が一定額を超える場合)、そして住民税、個人事業税、予定納税などです。
忘れた頃にやってくるカラフルな請求書の封筒は、経験した者にしかわからないずっしりとした重みがあります…
一度自分の手元に入ってきたお金から、税金が持っていかれる感覚は非常に嫌なものです。
自分で納税するという責任と、年に一度やってくる大きな支出のプレッシャーもまた、個人事業主のしんどさの要因の1つとなっています。
誰にも相談できない孤独感
個人事業主になると、会社員時代には当たり前だった同僚という存在がいなくなります。
人によるのかもしれませんが、個人事業主になってから「同業の話せる仲間がほとんどいない」という人も多いのではないでしょうか。
「交流会に参加して同業の仲間を作ろう」という意見もありますが、私のようにそういった場が得意ではない人間にとって、同業の仲間を作るのは難しいものです。
そのため、仕事で悩み事ができた時、気軽に相談できる相手はいません。
この誰にも頼れないという心細さと共に、仕事を続けていくしんどさがあります。
休みがなくなりがちで心身が消耗する
個人事業主は「休みがなくなりがち」というのもよくある話です。
会社員のように決まった休日がなく、自分の裁量で休めるはずなのに「仕事をたくさん抱えていて休めない」「毎日仕事をしていないと不安…」という状態に陥りやすく、つい働き続けてしまう人も多いです。
クライアントワークの場合、顧客の要望に応えるべく休日を犠牲にしなければいけないこともありますよね。
個人事業主はいつでも仕事ができる自由がある反面、強制的な休日がないため平日・休日関係なく仕事をしてしまいがちです。
その結果、知らず知らずのうちに心身が消耗していきます。
個人事業主のリアルな休日事情や、戦略的に休みを作るためのコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:フリーランスは休みなし?個人事業主のリアルな休日事情と休み方のコツ
将来への漠然とした不安
個人事業主はすべて自己責任で活動していく必要があるため、常に将来への漠然とした不安と隣り合わせです。
- 今と同じように、何十年も収入を得ていくことができるのか
- 40代、50代と歳を重ねるにつれて、若い頃と同じようには働けるだろうか
- 働けなくなった時、自分の生活を支えるだけの備えは本当に十分だろうか
こういったことにも、向き合っていかなければなりません。
こうした将来への漠然とした不安は、心の奥底にずっしりと居座り続けます。
僕が8年生き抜いて見つけた、3つの「処方箋」
これだけのしんどさを常に抱えていると、どこかで心が折れそうになることもあるかもしれません。
ここでは、個人事業主のしんどさを乗り越えるためのコツについて紹介します。
収入源を分散させて気持ちの安定を図る
まずは、収入の不安定さからくる不安を和らげることが、最も重要なことになります。
一つのクライアント、一つの事業に依存している状態は、「これを失ったら終わりだ」という不安を常に抱える状態になってしまいます。
大きな金額でなくて構いません。本業以外に収入の柱があるという事実そのものが、不安を和らげる安定剤になります。
実際に私も1つのクライアントに依存していた時期があり、いざ契約が終了すると収入がなくなってしまいました。
その経験から、「収入は1つに依存しない」ということを心がけています。
- クライアントは1つに依存せず複数持つ
- 1つのビジネスに依存せず、複数のビジネスを持つ
このように、ひとつの仕事に固執する必要がなくなることで、心に余裕が生まれてきます。
関連記事:収入源を複数持つことの重要性【人生の選択肢が広がります】
相談相手を持つこと
個人事業主の孤独を解消する方法として、最もよく言われるのが「同業者と交流すること」です。
オンラインのコミュニティに参加したり、セミナーや交流会に顔を出したりして、同じ業界の仲間を作る。
そうすれば、仕事の悩みを相談したり、業界の最新情報を交換したり、時には新しい仕事を紹介してもらえたりと多くのメリットがあります。
とはいえ、私のように同業の仲間が全くいない個人事業主の方もいるかと思います。
このような場合は、友人に相談してみるのもいいかと思います。同じ業界にいないために、理解してもらえることは少ないかもしれませんが、話を聞いてもらうだけでも元気が出てくるものです。
また、AIを相談相手にするのもおすすめです。
ビジネスの戦略で悩んだ時、あるいは誰にも言えない弱音を吐きたい時、24時間365日いつでも客観的なアドバイスをしてくれます。
ルーティンで自分を動かす
「頑張るぞ!」という気合だけに頼ると、いつか必ずガス欠を起こしますし、やる気の起きない時もでてきます。
モチベーションが落ちて、仕事に気持ちが入らない時もあるかと思います。
大切なのは、自分なりのルーティンを作ることです。
私の場合は、朝活です。毎日決まった時間に起き、カフェに行って2〜3時間仕事をします。
毎日確実に時間を確保できるので、モチベーションに頼らず仕事をこなすことができます。
関連記事:1日の充実感がアップ!朝活のメリットや継続のコツを紹介
私がしんどい個人事業主を続ける理由
ここまで個人事業主の「しんどい」現実と、それを乗り越えるためのコツについてお話ししてきました。
なかには、安定した会社員のほうあいいのでは?と思う方もいるかもしれません。
それでも、私がしんどいと言われる個人事業主を続けるには理由があります。
柔軟な働き方ができる
会社員時代は、自分の生活は会社の就業時間に左右されていました。
個人事業主になると、自分自身でスケジュールを管理できるため、1日をどう使うかすべて自分で決めることができます。
例えば、最も集中できる早朝の3時間で重要なタスクを終わらせ、昼間は一度完全に仕事を中断し、夕方に残りの軽い作業を片付ける、といった働き方もできます。
そして、自由に働けるということは、自由に休めるということでもあります。
例えば、多くの人が働いている平日の昼間に、がら空きのサウナで汗を流すという贅沢な時間を過ごすこともできます。

混雑しやすい土日を外して、平日に旅行に行くこともできます。
会社員では実現できない時間の使い方は、個人事業主ならではのメリットに感じています。
働く場所を選びやすい
フリーランス・個人事業主の大きな魅力の一つが、働く場所を選びやすいということです。
仕事内容にもよりますが、今はパソコン1台あれば、場所を選ばずに働きやすい時代です。
毎日決まった時間に、満員電車に乗って会社に行く必要がありません。
その日の気分で、自宅で作業をしたり、近所のお気に入りのカフェに籠もったりできます。

また、海外旅行も兼ねて現地で作業をすることもできるので、ノマド的に旅をすることができます。
実際に私が台湾を一人旅した際には、現地のカフェで仕事を進めていました。3泊4日くらいでも、現地のグルメをたっぷり堪能しながら、仕事も進めることができます。その時の様子は、以下の記事で詳しく紹介しています。
参考記事:【台湾3泊4日の男一人旅】居心地よすぎる台北でグルメをたっぷり堪能
人間関係のストレスがない
会社に所属していると、苦手な上司や、気の合わない同僚とも、うまく付き合っていく必要があります。
しかし個人事業主は、働く相手や付き合う相手を、すべて自分で選ぶことができます。
尊敬できない相手からの仕事は断る。自分の価値観に合う、心地よい人とだけ付き合っていく。
このように、人間関係を選ぶことでストレス減らすことができます。
まとめ
個人事業主のリアルなしんどさや、それを乗り越えるためのコツと個人事業主の最高の魅力について解説してきました。
収入の不安定さ、税金という重み、孤独感、休みがなくなりがち、将来への漠然とした不安といったように、しんどい要因はいくつもあります。
とはいえ、私が個人事業主になってから1秒たりとも後悔したことはありません。フリーランス・個人事業主の自由さは、しんどさを遥かに凌駕するほどの魅力があるからです。
個人事業主がしんどいと感じているのであれば、
- 収入源を分散させて気持ちの安定を図る
- 相談相手を持つこと
- ルーティンで自分を動かす
ということを実践してみてください。
