海外旅行の準備で、意外と頭を悩ませるのが「どのクレジットカードを持っていくか」という問題ではないでしょうか。
世の中には数多くのクレジットカードがあり、それぞれ特徴が異なるので悩ましいですよね。
そこでこの記事では、これまで10カ国以上海外を旅行した経験をもとに、クレジットカードを選ぶ基準から、私が実際に使う3枚の組み合わせ、そして安全な管理方法まで解説したいと思います。
- そもそも、クレジットカードって何枚持っていけば安心なの?
- たくさん種類があるけど、どのカードを選べば失敗しない?
このような疑問を持っている方の参考になるかと思いますので、ぜひご覧ください。
なぜ海外旅行は「クレジットカード選び」が重要なのか
海外旅行では、クレジットカードは単なる決済手段ではありません。どのクレジットカードを利用するかで、旅の安心の度合いや快適度が変わってきます。
具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 両替の手間から解放される
- 多額の現金を持ち歩くリスクをなくせる
- 海外旅行保険で万が一の事態に備えられる
- カード付帯の旅行特典で旅が快適になる
- ホテルのデポジットにも便利
現金は盗まれたり紛失したりすれば、二度と戻ってきません。
クレジットカードであれば、すぐに利用を停止することで、被害を最小限に食い止めることができます。
海外旅行では、スリなどの被害に遭うリスクは高くなるので、持ち歩く現金はできるだけ最小限に抑えるのが鉄則です。
他にも、クレジットカードによっては、海外旅行傷害保険が付帯していたり、トラブル時に日本語で対応してくれる「海外トラベルデスク」などのサービスが利用できることもあります。
このように、海外旅行ではクレジットカードを利用することのメリットはかなり大きいです。
海外旅行に持っていくクレジットカードは3枚がベスト
海外旅行に持っていくクレジットカードの枚数ですが、私の結論は3枚です。
これが、あらゆるリスクに対応できる、最もバランスの取れた枚数だと考えています。
- 1枚だと使えなくなった時のリスクが高い
- 2枚で基本的には問題はないがやや不安が残る
- 3枚は少なすぎず多すぎずで安心できる
- 4枚以上は多すぎる
なぜ1枚や2枚では不十分で、3枚が最適解なのか。その理由を順番に解説します。
1枚だと使えなくなった時のリスクが高い
まず、クレジットカード1枚だけに頼るのは、あまりにもリスクが高すぎます。
海外では、日本では考えにくいような理由で、クレジットカードが突然使えなくなることがあるからです。
具体的には、以下のようなケースがあります。
- カード自体の物理的な問題(磁気不良、ICチップの破損など)
- 決済端末やATMとの相性問題(同じVisaでも、カードによって使える・使えないことがある)
- カード会社によるセキュリティロック(不正利用を疑われ、一時的に利用停止にされる)
- 紛失や盗難
特に、「決済端末やATMとの相性問題」は、私もこれまでの旅で経験してきました。
- 三井住友VISAカードでは決済できなかったけど、エポスカード(VISA)だと決済ができた
- エポスカードだとキャッシングできないけど、楽天カードだとキャッシングできた
こういったことは普通に起こり得ることなので、1枚しか持っていないと「使えなかった」という状況になるリスクがあります。
2枚で基本的には問題はないがやや不安が残る
「それなら、予備を含めて2枚あれば十分では?」と思うかもしれません。
確かに、メインカードと予備カードとしては機能します。
しかし、もしそのうちの1枚を紛失してしまうと、「1枚しか持っていない」という状態に逆戻りです。
「残りの旅、大丈夫かな…」と、不安を抱えながら旅をすることになります。
3枚が最もおすすめな理由
そこでおすすめなのが3枚持っていくことです。
3枚あれば、「メインカード」「予備カード」「最終手段のカード」というリスク分散ができます。
メインと予備のカードを失うという最悪の事態が起きても、まだ最後の1枚があります。
正直なところ、3枚目のカードを使う機会はほぼないと言えます。しかし、「2枚失っても大丈夫」という精神的な余裕が、海外旅行で大きな安心感になってくれます。
海外旅行に強いクレジットカード4つの選定基準
私が10カ国以上旅してきた経験から、海外旅行に持っていくクレジットカードを選ぶ上で、重要な4つの選定基準を紹介します。
国際ブランドはVISAまたはMastercard
まず大前提として、持っていくカードの国際ブランドは、VISAまたはMastercardにしたほうがいいです。
この2つのブランドは、世界中のほとんどの国と地域で利用できるからです。
JCBやアメックスなども素晴らしいカードですが、地域によって、または小さな食堂や個人商店では使えない場面がまだまだ多いのが現実です。
カードで支払いをしたかったのに「使えないのか…」と困ることがないように、最低でも1枚はVISAかMastercardを持っていきましょう。
海外旅行傷害保険が充実していること
海外旅行のクレジットカードは、海外旅行傷害保険の内容が充実していることも重要です。
海外での医療費は、時に信じられないほど高額になることもあるので、海外旅行傷害保険があると安心だからです。
海外旅行保険には、カードを持っているだけで適用される「自動付帯」と、旅行代金をそのカードで支払うことで適用される「利用付帯」があります。
もちろん自動付帯が理想ですが、利用付帯でもその補償内容が充実していれば、十分にメインの保険として活用できます。
もちろん、その都度、保険会社の海外旅行保険プランに加入することもできます。
しかし、クレジットカード付帯の保険を利用すれば、申し込みの手間が一切なく、追加の費用がかからないメリットがあります。
海外キャッシング機能があること
旅先で、急に現地通貨が必要になる場面は意外と多いものです。
その際、世界中のATMで現地通貨を引き出せる「海外キャッシング機能」があると便利。

両替所を探す手間なく、ATMで現金をキャッシングできるので、すぐに現地通貨を手にすることができます。
充実した海外旅行の付帯特典があること
クレジットカードの中には、旅行をより快適にしてくれる「付帯特典」が用意されているものがあります。
代表的なのが、空港のラウンジ利用です。
フライト前の待ち時間を混雑したゲート前ではなく、静かで落ち着いたラウンジで過ごせるだけで旅の疲労度は大きく変わります。
さらに、世界中の空港ラウンジが利用できる「プライオリティ・パス」が付帯しているカードであれば、リッチなラウンジでドリンク・食事、シャワーを浴びるなどより快適に過ごせます。

また、もう一つ考慮したいのが「海外トラベルデスク」です。
これは、現地のレストランやオプショナルツアーの予約、さらにはパスポート紛失といった緊急時の対応まで、現地からでも日本語で相談に乗ってくれる心強いサービスです。
何かしらトラブルにあった時に、日本語で相談できるので安心感が違います。
私が海外旅行で使うおすすめクレジットカード3枚
私が現在、海外旅行に必ず持っていくのは、以下の3枚のカードです。
1枚目:楽天カード
海外旅行に持っていく最初の1枚として、まずおすすめしたいのが、年会費が無料の楽天カードです。

VisaかMastercardを選んでおけば、世界中のほとんどのお店で使えますし、ポイント還元率も1%と年会費無料のカードの中では十分に優秀です。
- 年会費が永年無料
- 基本のポイント還元率が1パーセントと高水準
- 楽天市場など、楽天経済圏での買い物でさらにポイントが貯まる
- 海外旅行傷害保険が付帯している(利用付帯)
- キャッシング機能あり
このカードをメインの決済カードとして使い、旅先での支出で効率よく楽天ポイントを貯める。これが、旅をお得にするための基本戦略としています。
そして、空港ラウンジの利用などより多くの特典を求めるのであれば、その先の選択肢として「楽天プレミアムカード」へのアップグレードを検討すると良いかと思います。

海外傷害保険がより充実し、プライオリティ・パスの利用もできるので、空港の豪華ラウンジで過ごすことができますよ。
関連記事:実は優秀!海外旅行に楽天プレミアムカードがおすすめな理由と便利な特典
2枚目:エポスカード
2枚目がエポスカードです。

エポス独自の優待特典が豊富なので、普段使いでもかなり便利ですが、海外旅行にもおすすめです。
- 年会費が永年無料
- 海外旅行傷害保険が付帯している(利用付帯)
- 特定の店舗での割引特典が豊富で日常使いがお得に
- キャッシング機能あり
- 基本のポイント還元率が0.5パーセントとやや低いのがデメリット
このエポスカードも、利用額が増えてくるとゴールド、そしてプラチナカードへのインビテーションが届くことがあります。
より手厚い保険や特典になるので、検討する価値はありますよ。実際に私はエポスプラチナカードを利用しています。

興味がある方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:海外旅行はエポスカードが最高すぎる!特典・プライオリティパス・マイル高還元と文句なし!
3枚目:三井住友カード
そして、3枚目が三井住友カード(NL)です。

上記2枚のカードが、盗難や紛失で使えなくなるという最悪の事態に備えるための、最終手段になるカードです。
- 年会費が永年無料
- カード番号が印字されていない、ナンバーレスでセキュリティが高い
- 海外旅行傷害保険が付帯している(利用付帯)
- キャッシング機能あり
- 特定のコンビニや飲食店で、タッチ決済をすると高還元
- デメリットは、基本還元率が0.5パーセントであるこ
このカードは、財布とは別の、セキュリティポーチなどに入れて分散して保管します。
海外旅行におけるクレジットカードの管理と防犯対策
クレジットカードを複数枚持っていく上で、絶対に守るべき注意点があります。
それは、全てのカードを同じ場所に保管しないということです。
例えば、すべてのカードを財布に入れて保管していた場合、財布ごと盗まれてしまってはすべてのカードを失ってしまうことになります。
そこで、以下のように分散管理することが重要です。
- 1枚目(メインカード):普段使いの財布に入れる。
- 2枚目(サブカード):ホテルのセーフティボックス、またはスーツケースの奥深くなど、安全な場所に保管する。
- 3枚目(最終手段カード):パスポートなどと一緒に、腹巻き型のセキュリティポーチに入れて、常に身につけておく。
このように分散管理することで、紛失リスクを最小限に抑えることができます。
海外でのより詳しいスリや盗難への対策については、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:海外旅行のスリ・防犯対策と万が一の時にやるべきことリスト
海外旅行でクレジットカードを使う時の4つの注意点
実際に海外でクレジットカードを利用する際の注意点について解説します。
支払い通貨を「現地通貨」で選ぶ
お店によっては、支払い時に「日本円で決済しますか?それとも現地通貨で決済しますか?」と聞かれることがあります。
この時は、必ず「現地通貨」を選んでください。
「日本円」を選ぶと、お店が独自に設定した悪い為替レートで計算されてしまうこともあり、損をしてしまいます。
海外キャッシング機能が有効になっていることを確認しておく
海外キャッシングを利用するには、クレジットカードに「キャッシング枠」が設定されていることが大前提となります .
カードを作成した際に、キャッシング枠を申し込んでいなかったり、後からキャッシング枠を外していたりすると、そもそもこの機能を利用することはできません。
出発前に、必ずカード会員用のウェブサイトで、ご自身のキャッシング枠が設定されているかを確認しておきましょう。
もし設定されていない場合は、事前にキャッシング枠の申し込みをしておく必要があります。
カード会社の緊急連絡先を控えておく
万が一、カードを紛失したり盗難に遭ったりした場合に、カードの利用を停止するための緊急連絡先は必ず控えておきましょう。
多くのカード会社は、海外からの連絡に対応した24時間対応の連絡先を用意しています。
クレジットカードによっては、インターネットやチャットサポートでも「カードの停止(無効化)の手続き」ができるので、事前に確認しておきましょう。
連絡先は、スマホの写メだけでなく、紙にもメモして財布とは別の場所に保管しておくと安心です。
暗証番号(PINコード)を覚えておく
クレジットカードを利用する際、4桁の暗証番号(PINコード)の入力を求められることが多いです。
いざ利用することになっても暗証番号を覚えていないと、決済することができません。
また、暗証番号を複数回間違えると、自動的に利用停止になるので注意が必要です。
自分のカードの暗証番号は、必ず日本にいる間に確認しておきましょう。
まとめ
海外旅行に持っていくクレジットカードの選び方から、私が実際に使う3枚の組み合わせ、そして安全な管理方法を解説してきました。
3枚持つことでリスクの分散になり、安心して旅行をすることができます。
海外旅行のクレジットカード選びで迷っている方は、まずは以下の3枚を作成するのがおすすめです。
いずれも年会費が無料で、利用付帯の海外旅行傷害保険があり、海外キャッシング機能もあるので便利ですよ。ぜひ参考にしてみてください。
海外旅行のクレジットカード以外の持ち物については、以下の記事でまとめているので、こちらもぜひご覧ください。
