本記事では、スポルティバのTX4の特徴や使用してみた感想を紹介したいと思います。
スポルティバのTX4を購入しようか迷っている方は、1つの参考としてみてください。
スポルティバ「TX4 EVO GTX」の概要
スポルティバ「TX4 EVO GTX」はいわゆる「アプローチシューズ」と呼ばれるもの。
アプローチシューズとは、クライマーが登山口からクライミングエリアへの移動を快適に歩行できるように設計されたシューズのこと。そのため、登山道や岩場などにも対応できる万能性があります。
TX4はそんなアプローチシューズの特性を活かしつつも、岩場に強い仕様となっています。
「TX4 EVO GTX」の仕様
スポルティバ「TX4 EVO GTX」の仕様は以下のとおりです。
カラー | カーボン/バンブー トロピックブルー/バンブー |
---|---|
重さ | 約422g(片方・サイズ41) |
素材 | アッパー:スエードレザー+プロテクトラバートリム+ トゥプロテクトラバー ライニング:GORE-TEX® エクステンデッド コンフォート ソール:Vibram® MEGAGRIP ミッドソール:COMPRESSION インソール /ラストボード:Ortholite® Hybrid APPROACH 4 mm |
価格 | 33,000円(税込) |
従来の「TX4 GTX」からの変化としては、
- ソールの張り替えが可能になった
- アウトソールのラグが吸盤のような丸い形から菱形に変更された
といった点が挙げられます。
デザインと外観
アッパーにはスエードレザーが使われています。適度な柔らかさがあるため、靴紐を調整することで足の形に合わせてフィットしやすいです。
足の甲までしっかり包み込んでくれるフィット感は抜群で、一般的な登山靴より優れた部分と言えるでしょう。
また、つま先部分はプロテクトラバーがあるため、固い岩にぶつけても安心です。
ソールはビブラム社のメガグリップ(Vibram® MEGAGRIP)。岩場でのグリップ力に定評があるソールですね。
つま先はクライミングゾーンとなっていて、平らなソールとなっています。
ソールはそれなりに硬めなので、ザレ場、ガレ場などのゴツゴツした道でも十分な安定性を保つことができます。
ちなみに、「TX4 EVO GTX」はアウトソールのみ交換可能なので、ソールがすり減っても交換することで末長く使っていくことができそうです。
スポルティバ「TX4 EVO GTX」を選んだ理由
「TX4 EVO GTX」に辿り着くまでの経緯
元々登山はトレランシューズを利用していたのですが、長丁場のガレ場だと足に負担がかかること、また濡れた場所でのグリップにやや不安が残ります。
そこで、登山靴にしてみようとメレルのモアブ3を履いていました。
しかし、初心者向けのオールマイティーな登山靴というだけあり、これといった特徴がありません。また、登山靴なので平坦な道での歩きやすさは、トレランシューズに比べてだいぶ劣ります。
そこで次なるシューズとして、以下の3つの点を満たすシューズを探していました。
- 平坦な道でももう少し歩きやすいこと
- 岩場が好きなので岩場に強いこと
- もう少しタイトめなサイズ感
この3点を満たすシューズを探していたところ、スポルティバの「TX4 EVO GTX」に出会ったわけです。
「TX4」と「TX5」の違い
スポルティバTX4を選ぶ際、もう1つの候補となるのがTX5です。
アプローチシューズは、登山靴とクライミングシューズの中間的な位置付けのシューズですが、TX4とTX5の違いをざっくり挙げると以下のような感じかと思います。
- TX4:本来のアプローチシューズの位置付けに近い(TX4はさらに岩場に強い仕様)
- TX5:登山靴寄りで一般的な山歩き向き(オールマイティ)
TX5はオーソドックスな登山靴寄りなので、一般的な登山道の歩行に強く、岩場などにも十分に対応できるオールマイティな一足。
一般的な登山道を歩くのであればTX5のほうが向いているため、TXシリーズを選ぶのであれば多くの方にはTX5がいいかと思います。
しかし私の場合は、岩場でのパフォーマンスをより重視したいということでTX4を選びました。また、TX4のほうがややタイトな作りなので、よりスニーカーの感覚に近いということも決め手になっています。
スポルティバ「TX4 EVO GTX」を実際の登山で使ってみた感想
シチュエーションごとの使用感
スポルティバ「TX4 EVO GTX」の実力はいかほどか、実際に登山で使ってきました。
一般的な林道、ザレ場・ガレ場、岩場に分けての感想を紹介します。
- 林道:可もなく不可もなく
- ザレ場・ガレ場:長時間あるくと足裏の負担になるかも
- 岩場:登りやすさ抜群
まずはどの山にもあるような林道での使用感ですが、こちらは可もなく不可もなくといったところ。
TX4は軽量なので重さによる負担はないというメリットはありますが、大きなアドバンテージを感じるところではありません。
次にザレ場やガレ場などでの使用感です。
TX4の弱点とまではいいませんが、ザレ場・ガレ場を長時間歩いていると足裏への負担を感じます。
というのも、ソールは足裏で石の凸凹を多少感じるくらいの柔らかさがあるので、どうしても足裏へ負担がかかるからです。
個人的には足裏の感覚があったほうが安心できるタイプなので気にしませんが、ザレ場・ガレ場の長時間歩行については好みが分かれそうです。
そして、TX4の強みとも言える岩場での使用感ですが、登り下りのしやすさは抜群でした。
足のグリップはしっかりしていて、足を柔軟に動かせるので自分の動きを邪魔しません。
- グリップが効いているので安定する
- ある程度ソールが柔らかいので、足裏で岩の感覚を掴みやすい
- タイトめな作りなので、足を柔軟に動かせる
特に高度感を感じるところだと、シューズのグリップ力に不安があると恐怖心は増してしまうもの。その点TX4は安心感があります。
夏場でも蒸れにくい
ゴアテックスを使っているシューズの気になる点としては、長時間利用時の蒸れですよね。
近所での試し履きの時点では靴の中がポカポカしていたので、夏場に履いたら蒸れがすごそうな予感はしていました。
しかし、夏場の6時間の登山や9時間かかった登山で履いても蒸れることなく、快適に登山ができたのは予想外でした。
ゴツ目の登山靴と違い、厚みがそこまでないので熱がこもりにくいのかもしれません。
小指球あたりがやや狭め
大きなデメリットには感じることではありませんが、小指球(小指の付け根付近の一番出ているところ)あたりがやや狭めに感じました。
実際の登山では、稀に小指球を圧迫するような感じがあったので、自分の足には完璧にはフィットしていないのかもしれません。
ただ、レザー素材が使われているので、しばらく使い込んでいけば自分の足にフィットしていく可能性があるので、もう少し履き込んで様子を見てみたいと思います。
登る山によってはスペックを持て余す
TX4は岩場のアプローチに特化しているので、ある程度岩場がある山でないとTX4の持ち味を活かすことはできません。
整備の行き届いた道がメインの登山ではスペックを持て余すことになり、持ち味を発揮することなく消耗することになってしまいます。
そういった意味では、TX4は登る山を選ぶシューズと言えるかもしれません。
TX4を購入したはいいものの、岩場がちょっとしかない山に行く時は「TX4を履いていく意味はあるのか?」と考えてしまいます。
それなりの値段がしますし、末長く使うためには、持ち味を発揮できないコースではTX4の利用を控えたいところ。
そのため、
- 岩場の少ない山ではベーシックな登山靴を使う
- 岩場のある山ではTX4を使う
といったような使い分けをするのが、末長く使っていくためにはベストかもしれません。
まとめ
スポルティバ「TX4 EVO GTX」の詳細や使ってみた感想を紹介してきました。
なんといっても、このシューズの特徴である岩場でのグリップ力や、足を包み込むようなフィット感は抜群の一言。
値段は33,000円(税込)とお高いですが、それだけの価値を感じる満足度の高い一足になりました。
岩場多めの山をメインにしている、もしくは今後メインにしていく予定があるという方には満足できるシューズになるかと思います。