これから登山をしてみたいけど、何を持っていけばいいか分からない。
そんな方の疑問に答えるべく、本記事ではソロ登山に必要な持ち物リストを紹介したいと思います。
なお、本記事で紹介するアイテムは、初めてのソロ登山で初級者向けの山を登ることを想定しています。
ソロ登山に必要な服装・装備
登山靴
初めて登山をしようとしている人が疑問に思うのが「初心者向けの山に登山靴は必要なの?」ということかと思います。
結論からいうと、登山靴は必須ではないがあったほうがいいということになります。
登山に特化した仕様になっているだけあり、普通のスニーカーに比べてメリットが大きいからです。
- ソールが厚くて硬いため、小石や土の凹凸などからの衝撃を減らし疲労を軽減してくれる。
- 滑りにくいソールになっているため、傾斜地や岩場、濡れた場所でも安定した歩行がしやすい。
- ゴアテックス仕様の場合が多く、水場や雨にも強い。
普通のスニーカーでも登山はできますが、以下のようなゴツゴツした石の道を歩いたりすると足の裏の負担が大きいですし、岩場や傾斜地は滑りやすいデメリットがあります。
やはり安全性を考慮すると、スニーカーより登山靴がおすすめ。
なので、まずは比較的リーズナブルでベーシックな登山靴を購入するのがいいかと思います。
上着
登山で着用するウェアは、以下の3つ組み合わせが基本となります。
- インナー
- Tシャツ・長袖シャツなど
- アウター
それぞれベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウターレイヤーともいわれています。
登山のウェアは重ね着をするのが基本で、インナーにはベースレイヤーと呼ばれる薄手で吸湿速乾性のあるものを着用します。
ベースレイヤーを着ることで、汗を吸収・速乾してくれるので、快適に行動することができます。また、肌をドライに保つことできるので、気温が下がってきた時の汗冷えを防いでくれる効果もあります。
ミッドレイヤーはインナーの上に着るもので、季節に応じてTシャツや長袖シャツを着用します。
アウターは軽量のものがおすすめ。
山は天候が変わりやすく気温の変化も大きいです。また、標高が高い山だと頂上付近になると一気に寒さを感じてくることもあるため、暑い日でもアウターは持っていったほうがいいです。
パンツ
パンツに関しては、ストレッチ性が高く、歩きやすいものがおすすめ。
ハーフパンツか長ズボンかは人それぞれですが、長ズボンは擦り傷を防いだり虫刺され防止になるメリットもあります。
最近では、ハーフパンツの下にレギンスを履くスタイルも増えていて、私もこのスタイルで登山しています。
靴下
靴下は、靴擦れ防止のために厚手のものがおすすめ。
レインウェア
登山初心者でもレインウェアは必需品です。
山岳地域では天候が急変しやすく、予期せぬ雨に見舞われる可能性があるからです。
長時間雨に濡れることで体温の低下につながりますし、風が吹いているとさらに寒く感じます。雨具は防風効果もあるので、強風から身を守る役割も果たします。
軽量のレインウェアでもいいので、1枚必ず持っていきましょう。
ザック
登山初心者はゴリゴリの登山リュックでなくても、以下のようなベーシックなリュックでも問題ありません。
容量は20L〜30Lが目安で、このくらいの容量があれば初級者向けの山は十分に対応できるといえます。
ウェストベルトやチェストベルトがあると、体にフィットして安定感もでるのでおすすめです。
ソロ登山に必要な安全対策アイテム
ソロ登山の場合、万が一の緊急時には一人で対応しなければいけません。
そのため、遭難したとき用のアイテムと怪我をした時のファーストエイドキットはしっかり準備したいところです。
ホイッスル
ホイッスルは、遭難時や緊急時に自分の居場所を知らせるために必要です。
大声を出すよりも少ない体力で遠くまで音を届かせることができ、近くにいる人または救助隊に自分の位置を伝える手段として有効です。
ヘッドライト
ヘッドライトは、暗い時間帯に足元や周囲を照らすことできます。
加えて、日没後も行動する必要が生じた際や緊急時にも、安全に移動するために必須のアイテムです。
明かりはスマホのライトでも代替可能ですが、バッテリー切れにも繋がるため非推奨。
救急セット
ケガをしたり体調不良になった時に対処できるように、救急セットを用意しておきましょう。
何をもっていくかは個人差が出ますが、まずはファーストエイドキットを購入するのが便利です。
ちなみに私は、絆創膏、包帯(手で切れるタイプ)、ガーゼ、テーピング、アイシングシート、頭痛薬、ロキソニンなど少量に留めています。
紙の地図
ルート確認はスマホのアプリでできますが、スマホを紛失した・スマホが故障した場合なども考慮して、紙の地図があると安心です。
モバイルバッテリー
モバイルバッテリーは、スマホなどの電子機器のバッテリー切れを防ぐために必要です。
登山時のルート確認は「YAMAP」や「ヤマレコ」などのアプリを使う方が多いと思いますが、バッテリー切れになるとルート確認ができません。
また、スマホは緊急時の連絡に使う重要アイテム。
万が一の際にも、スマホが使えるようにモバイルバッテリーを持っていきましょう。
非常食
怪我で動けない、遭難時のために、行動食とは別に非常食も持っておきたいところ。
荷物の負担にならないように軽くて、日持ちするものがおすすめ。
ソロ登山に必要な行動食
登山においてかなり重要なのが、栄養補給です。
登山は想像以上に汗をかいて水分がでていきますし、エネルギー消費も大きいです。
エネルギー切れを起こすと思わぬ事故になる可能性もあるので、しっかり栄養補給をしましょう。
水分
登山では大量の汗をかくため、脱水症状に注意です。
重度の脱水症状になると激しい痛みの痙攣におそわれることも。そうならないために、こまめな水分補給が欠かせません。
なお、汗とともに塩分(ナトリウム)やカリウムなどの電解質が排出されるため、こちらも摂取したほうがいいです。
スポーツドリンクには電解質がふくまれていますし、水を飲んでいる人は塩分の飴をとるのもいいでしょう。経口補水液でもよいと思います。
行動食
登山は想像以上にエネルギーを使うので、栄養補給も重要です。
登山の行動食は、手軽に食べられるものがおすすめ。
- おにぎり
- あんぱん
- カロリーメイト
- プロテインバー
- 栄養ゼリー
登山をしていると食欲があまり湧かないという時もありますが、そういった場合は栄養ゼリーなどの摂取もおすすめです。
登山におすすめの行動食については、コンビニ・スーパーで買える!登山におすすめの行動食で紹介しているので参考にしてみてください。
その他の必需品
現金
山小屋などでドリンクを買ったり食事をしたりするのに現金が必要がことが多いです。
また、トイレの利用にも現金が必要になることがあります。
とはいえ、使う機会は少ないので軽量の財布に入れて持っていくか、ジップロックなどに入れていってもいいかと思います。
私は無印良品のトラベルウォレットを使っています。
タオル
タオルの役割は、汗を拭く、雨や露で濡れた体を拭く、応急処置で包帯代わりに使うなど、多用途に使うことができます。
暑い時期の登山では、首に巻いて日差し対策として使っている人もいますね。
タオルは荷物としてかさばるので、薄手で軽量なマイクロファイバー製のタオルがおすすめです。
ゴミ袋
自分で出したゴミや濡れたものをしまうときに役立ちます。
ソロ登山にあると便利なアイテム
ウェットティッシュ
登山中は手を洗ったりできるところがほぼありません。
そのため、除菌もできるウェットティッシュを持っていくと便利です。
食事をする前に手を拭いて清潔にすることができる上に、軽い汚れを拭き取ったりもできます。
日焼け止め
山の高度が上がるほど紫外線が強くなるため、日焼けをしやすくなります。
おすすめの日焼け止めはアネッサ。
値段は高いですが、日焼け止め効果は抜群で、標高の高い富士山やタイ・シンガポールなど日差しの強い東南アジアでも徹底的にガードしてくれます。
虫除けスプレー、ムヒアルファ
山は虫が多いので、虫対策をしたい方は必須です。
また、虫に刺された場合の応急処置としてムヒアルファなどを持っていくといいでしょう。
ボディシート
登山は大量に汗をかくのでベトベトで不快になることも。一度リフレッシュしたいときに便利です。
スマホストラップ
登山中はスマホで写真や動画を撮る人は多いかと思いますが、落とす場所によっては回収できないなんてことにも。
登山中の重要アイテムであるスマホを落とさないためにも、スマホストラップを利用するのがおすすめ。
サングラス
サングラスをすることで、強い日差しや紫外線から目を保護してくれます。
特に標高が高い場所や雪山では、目のダメージを防ぐために必須のアイテムです。
帽子
帽子をかぶることで、頭や顔を日差しから守り、日焼けや熱中症を防いでくれます。
グローブ
グローブの役割は、手を寒さや風から保護し、ケガや擦り傷を防ぐことです。また、岩場やストックを使う際に、滑り止めとしても役立ちます。
ザックカバー
バックパックを雨から守ってくれます。100均のものでも十分なので、1枚持っておくと安心です。
トレッキングポール
優先度は低めですが、一度登山を経験して「体力的にちょっとしんどい」と感じた方は、トレッキングポールの利用がおすすめ。
トレッキングポールを使うことで、足にかかる負担を分散させることができるため、山道の上り下りの負担を軽減することができます。
また、バランスを取るのにも役立ち、不安定な場所や滑りやすい場所でも安定した歩行が可能です。
特に長時間の歩行になるときには大きな効果を実感できます。
トレッキングポールは、初心者から上級者まで利用するアイテムなので、持っておいて損はないアイテムといえます。
荷物のパッキングのコツ
持ち物リストを作成する
登山の持ち物をパッキングする際、持ち物リストを作成することは非常に重要です。
というのも、リスト化をすることで必要なアイテムを忘れずに準備できるからです。
リスト作成のコツは、まず基本的な装備(ザック、登山靴、雨具など)から始め、行動食、遭難対策、医療キットなどカテゴリごとに作成しておくといいでしょう。
また、季節によって持ち物は変化してくるので、このあたりも考慮することがポイント。
リストを「必須」「あれば便利」などのカテゴリーに分けることで、優先順位をつけやすくなります。例えば、ホッカイロやゲイターなど状況に応じたアイテムは「あれば便利カテゴリ」に記載しておけば、必要なときに忘れずに準備することができます。
このリストは、経験を重ねるごとに更新し、自分に合った最適なリストを作り上げていくことが大切です。
カテゴリごとにパッキングしよう
バックパックに荷物を入れる際には、カテゴリごとにパッキングすることも重要です。
荷物がごちゃごちゃして取り出しにくいとストレスになりますし、無駄に時間をロスしてしまうことに。
カテゴリごとにパッキングしておけば、荷物の取り出しやすさが格段に向上します。
例えば、衣類、行動食、応急処置キットといったように、用途ごとにパッキングしておけば取り出しが容易です。
また、頻繁に使用するアイテムはザックの上部や外側のポケットに入れるなど、使用頻度に応じて入れる場所を決めると、実際の登山中の取り出しが楽になります。
このように、荷物をカテゴリごとにパッキングすることは、荷物の取り出しを効率的にしてくれます。自分好みのカテゴリ分けをしてみてください。
すべて登山専用のグッズを揃えたほうがいいのか?
これから登山をしてみたいという方にとって、「すべての装備を登山専用グッズで揃える必要があるのか?」と疑問に思っている方も多いかと思います。
結論からいうと、登山初心者にとって、すべての装備を専用グッズで揃える必要はありません。
まずは手持ちのアイテムに少し買い足す程度で、安全性と快適性を考慮しつつ、徐々に装備を整えていくことをお勧めします。
まず優先すべきは、安全性を高めるアイテムだけは揃えておくことです。例えば、レインウェア、遭難対策グッズ、ファーストエイドキットは最低限揃えておきたいところ。
一方、Tシャツやパンツなどは、速乾性や保温性のあるようなものであれば、ユニクロなどの衣類でも十分とえいます。
実際に私も、ユニクロの速乾性Tシャツ、ハーフパンツ、レギンスを着用して登山をしています。(レギンスは最近アンダーアーマーのものを購入しましたが)
登山向けの専用アイテムは価格が高いので、初級者レベルの山に登る段階であれば無理して購入する必要はありません。
経験を重ねながら、必要性や使用頻度に応じて少しずつ専用品を揃えていくことで、無駄な出費を抑えつつ、自分に最適な装備を整えることができます。
重要なのは、安全を最優先に考え、自分のペースで装備を充実させていくことです。
まとめ
ソロ登山初心者に必要な荷物を紹介してきました。
一気に全てを揃える必要はなく、安全対策は最低限した上でまずは山に登ってみる。そして、次も登ってみたくなるようだったら、徐々に登山グッズ・ギアを揃えていくのがいいかと思います。
最初に張り切って揃えたけど、いつのまにか押入れの一角に鎮座しているというのはよく聞く話です。
徐々にアイテムを揃えていくのも楽しいですし、自分なりに試行錯誤していくのも登山の楽しみの1つ。
ぜひ参考にしてみてください。