【東京発】前穂高岳(重太郎新道)・夜行バスで日帰り攻略

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標高3,090メートルの前穂高岳は、岩場や急斜面が続く手強い山ですが、登りきったときに広がる北アルプスの大パノラマは格別です。

しかし、東京からだと1泊するのが一般的なので、なかなか行けないという人もいるかと思います。

そこで便利なのが、バスタ新宿からの夜行バスを使った「ほぼ日帰りプラン」です。深夜バスを利用すれば、早朝に上高地に着くのでその日のうちに東京に戻ってくることができます。

そこで本記事では、東京から夜行バスで行く日帰りプランや、登山ルートのポイント、必要な装備や注意点などをまとめました。

東京から前穂高岳に登ってみたい方は、参考にしてみてください。

目次

【基本情報】前穂高岳(重太郎新道)とは?

まずはじめに、「前穂高岳」とそのメインルートである「重太郎新道(じゅうたろうしんどう)」について紹介します。

前穂高岳は、北アルプス・穂高連峰の一角を成す、標高3,090mの名峰です。

  • 標高:3,090メートル
  • 登山ルート:重太郎新道(上高地〜岳沢小屋〜紀美子平〜山頂)
  • 難易度:中上級(岩稜帯・急斜面あり)
  • 所要時間(日帰り目安):10〜12時間程度
  • 山小屋:岳沢小屋(途中泊も可能)
  • 特徴:岩場の連続する稜線歩きが魅力

山頂からの景色も抜群で登山者に人気のある山ですが、険しい岩稜帯が特徴で難易度は決して低くありません。

重太郎新道は、岳沢小屋から前穂高岳山頂へ至るルートで、岩場や急斜面が多く、体力と技術が求められる登山道です。

登山経験者にとっても挑戦しがいのある山であり、日帰りでも充実した登山体験ができるのが魅力です。

【アクセス】東京から上高地へ夜行バスで日帰りプラン

夜間に移動することで早朝から登山を開始でき、日帰りでも余裕を持って行動することが可能です。

東京から上高地へ夜行バスで移動するには、アルピコ交通の新宿〜上高地線「さわやか信州号」を利用します。

さわやか信州号公式サイト

バスタ新宿から22時25分発で、翌朝5時20分に上高地バスターミナルに到着します。

5時20分に上高地バスターミナルに到着したさわやか信州号のバス

料金は時期による運賃ランクで変動しますが、以下の料金が目安です。

  • グリーンカー(3列):14,000円
  • スタンダード(4列):12,000円

満席で予約が取れないことが多いので、天気との兼ね合いをみて、行ける日程があれば早めに抑えることが重要です。

たまにキャンセルで空きが出ることもあるので、満席の日程でもこまめに確認するのがおすすめ。

なお、上高地→新宿の最終は16時50分なので、この時間までに上高地バスターミナルまで戻ってくる必要があります。

なお、行きの予約が取れても、帰りの席が埋まっている場合もあります。

その場合は、以下の代替手段も検討してみてください。

  • 上高地発の濃飛バスで平湯温泉まで行き、平湯温泉から高山・平湯温泉~新宿線でバスタ新宿
  • 上高地発のアルピコ交通で松本駅まで(新島々駅到着で乗り継ぎが必要かも)、松本駅からJR特急「スーパーあずさ」で東京へ

上高地〜前穂高岳のルート解説

ここでは、上高地〜前穂高岳の往復コースを以下の3つに分けてポイントを解説します。

上高地〜岳沢小屋

上高地バスターミナルには、ベンチのあるテーブルがいくつかあるので、ここで準備を整えましょう。

なお、飲水の水道(写真の手前にある水道)もあるので、ここで水分補給していくのもいいかと思います。

上高地バスターミナルの休憩エリア
上高地バスターミナル

空のボトルを持っていて、ここで水を補給すると上高地までの荷物を減らすことができていいかもしれません。

帰りのバス待ちの時間に飲みましたが、冷たくておいしかったです。

準備を終えたら出発です。

河童橋を渡り、岳沢登山口へ向かいます。

河童橋では、穂高連峰を眺めることができ、これから登る前穂高岳も目にすることができます。ちなみに前穂高岳は、右側手前の山からわずかに見えているところです。

河童橋から眺める穂高連峰

上高地の遊歩道を歩くので、綺麗な景色を堪能できます。

岳沢湿原も綺麗です。

岳沢湿原

河童橋から15分ほど歩くと、岳沢登山口に着きます。

岳沢登山口
岳沢登山道入り口

序盤は樹林帯の道が続くので、涼しさを感じながら歩けます。

上高地から岳沢小屋までは急登はないものの、緩やかな登りをひたすら登っていきます。整備された登山道で歩きやすく、危険箇所もありません。

岳沢小屋に続く石段の緩い坂道

後半に余力を残しておくために、ペースを上げすぎず体力を温存しながら登るのがおすすめです。

ちなみにですが、所々に数字の書かれた標識があり、岳沢登山口の10から岳沢小屋の1までカウントダウンしていくようになっています。岳沢小屋までのちょっとした目安にできますよ。

数字(3)の書かれた標識と石段

2〜3時間ほどで岳沢小屋(標高2,170メートル)に到着します。

岳沢小屋

ここで休憩を取り、水分や行動食を補給しておくといいでしょう。ドリンクは1本500円くらい。

岳沢小屋〜前穂高岳山頂

岳沢小屋から先は、急登続きの重太郎新道です。岳沢小屋からヘルメットを着用していくといいかと思います。

重太郎新道入り口

岩場が増えてきて、時には角度のある登りが出てきます。

重太郎新道の急角度の岩場

長い梯子もあります。高いところが苦手な人は、ちょっと高所感を感じるかもしれません。

重太郎新道の長いはしご

ひたすらこんな感じの登りが続きます。

重太郎新道の角度のある道(ゴツゴツした岩)

とにかく岩、岩、岩です。

重太郎新道の急角度の岩場

重太郎新道に突入してから山頂まで長いので、ペースを上げすぎないこともポイントかと思います。

重太郎新道の急角度の岩場

標高が上がると樹林帯を抜け、空が開けてきます。しかし、登りはまだまだ続く。

樹林帯を抜けた重太郎新道の景色

鎖場も出てきますが、難易度が高いわけではありません。

重太郎新道の鎖場

鎖場あたりから、徐々に前が詰まって渋滞になりやすい感じかと思います。

前方からの落石や、後方に人がいる場合は自分が落石しないように注意が必要です。

重太郎新道の鎖場

鎖場を登ると紀美子平に到着です。休憩できる広さがあるので、ここで一息入れるといいかと思います。

紀美子平からは山頂まで30分くらいなので、あと一踏ん張りです。

紀美子平の標識

紀美子平にザックをデポして、アタックザックで山頂を目指す人が多いようです。そのため、紀美子平にはザックがたくさん。

紀美子平からも険しい岩場は続きますが、これまでと難易度は変わらないので、ひたすら登っていきます。

紀美子平からの岩場

ちなみに山頂までのルートですが、丸印が豊富にあるのでロストすることはほぼないかと思います。

紀美子平からの岩場(丸印)

山頂に到着。広い山頂なので、人が多くてもゆっくりできるスペースは確保できます。

前穂高岳山頂の標識

山頂からは北アルプスの大パノラマが広がり、天気が良ければ360度の眺望が。

こちらは上高地方面。

前穂高岳山頂からの景色(上高地方面)

穂高連峰です。右側から奥穂高岳、ジャンダルム、西穂高岳。

前穂高岳山頂からの景色(穂高連峰)

涸沢ヒュッテ方面。槍ヶ岳が一際目立ちます。

前穂高岳山頂からの景色(涸沢ヒュッテ方面)

下山ルート

前穂高岳からの下山は、登り以上に注意が必要です。

前穂高岳山頂からの下りのガレ場

気を遣う場所が多く疲労もあるため、個人的には下りのほうがしんどかったです。

鎖場あたりの下りは、滑りやすい岩もあり特に注意が必要でした。

前穂高岳下りの鎖場

重太郎新道は滑落も多いと言われているので、慎重に下りてきましょう。

重太郎新道下りにある「激下り・滑落者多数」看板
重太郎新道下りにある「激下り・滑落者多数」看板からの下り

下山時のはしごは、直射日光を浴びていたためか熱かったです。手袋をしたほうがいいかと思います。

重太郎新道・長いはしごから下を見下ろした景色

岳沢小屋まで戻れば、下りの山場は越えたと言えます。ここで一息入れていくといいでしょう。

岳沢小屋で購入したポカリスエット

その後も上高地までは長い下りが続きますが、緩い下りなので危険箇所はありません。

ただし、ザレていたり岩でゴツゴツしていたりするので、油断してスルッといかないように注意が必要です。

岳沢小屋から下り

岳沢登山口に到着すればゴールです。

午後の岳沢登山口

上高地も朝とは違った雰囲気が楽しめますよ。

前穂高岳で特に重要な持ち物リスト

前穂高岳に持って行ったバックパック、ヘルメット、行動食

前穂高岳に必要な持ち物を紹介します。

基本的な登山の持ち物は、【40代からのソロ登山】初心者でも安心の持ち物リストと便利グッズで紹介しているので、ここでは特に重要なアイテムをピックアップしました。

登山用ヘルメット

岩場での落石や転倒時の頭部保護に必須です。

特に重太郎新道の鎖場や岩稜帯では、落石リスクが高くなるためヘルメットを着用したほうがいいかと思います。

岳沢小屋でもヘルメットのレンタルをしていると思うので、問い合わせしてみてください。

登山用グローブ

重太郎新道は、鎖場や手を使って上らなければいけない岩場があるので、手袋があるといいかと思います。

薄手でも良いので滑りにくく、手にフィットするものを選びましょう。

季節や気温にもよると思いますが、寒くて手が冷えてしまうこともあります。

ちなみに下山時には、ハシゴが直射日光を浴びて熱くなっていたので、その意味でも手袋があると安心です。

防寒・防風具

標高3,000メートル近くの山頂付近は、気温は低く、風が強いことがあります。

薄手でもいいので防風性・防水性のあるジャケットを持参してください。

また、朝晩は想像以上に冷え込むので、万が一の遭難に備えて、寒さを凌げるウェアを持っていくのをおすすめします。

十分な行動食・水分

日帰り登山でも行動時間は10時間前後となるため、予想以上に体力を消耗します。

途中でしっかり補給できるよう、軽量で高カロリーな行動食と水分は十分に持参しましょう。

ちなみに、水が補充できるところは、

  • 上高地バスターミナル
  • 岳沢小屋(ドリンク1本500円くらい)

の2箇所のみとなるので、その点を踏まえてどのくらいドリンクを持っていくか検討するといいかと思います。

関連記事:コンビニ・スーパーで買える!登山におすすめの行動食9ジャンル12商品を紹介!

前穂高岳の夜行バスで日帰りで注意すべき点

落石・滑落

前穂高岳の重太郎新道は、岩場や急斜面が続くルートです。

登り・下山どちらも、足元の浮石や不安定な岩に注意が必要です。

滑落も多いルートとのことなので、慎重に進んでいく必要があります。

また、上に他の登山者がいる場合は、登っている人が落とした小さな石でも怪我につながる危険があります。ある程度距離をとって、前方に注意しながら登ったほうがいいです。

逆に下に他の登山者がいる場合は、自分が落石させてしまうと事故につながる可能性があるので注意が必要です。

寝不足による疲労

夜行バスを利用すると、移動時間を有効に使えますが、熟睡できない可能性がある点には注意が必要です。

疲労感や集中力の低下を感じたまま前穂高岳に登ることになるかもしれません。

実際に私は、終始ウトウトしている感じで、「2〜3時間寝れたかな」という状態でした。

アイマスクや耳栓を持っていくと、ある程度快適に休めるかもしれません。

まとめ

東京から夜行バスで行く日帰りプランや、登山ルートのポイント、必要な装備や注意点を解説してきました。

東京から夜行バスを使えば、ほぼ日帰りで前穂高岳に登れますが、睡眠不足や疲れには少し注意が必要です。

とはいえ、日帰りでも北アルプスの絶景と登山の楽しさを存分に味わえます。しかも、上高地の絶景付きです。

ぜひ参考にしてみてください。

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