海外旅行は楽しい時間を満喫できますが、スリなどの被害には注意が必要です。
日本に比べて海外のほうが、軽犯罪のリスクが高まるからです。
これから海外旅行に行くけど、スリや防犯対策はどうすればいいの?と疑問に思っている人もいるかと思います。
そこで本記事では、海外旅行のスリ・防犯対策について紹介したいと思います。
スリが使う巧妙な手口5パターン

スリ対策と聞くと、まずカバンや貴重品の持ち方を考えがちですが、その前にもっと大事なことがあります。 それは、相手がどんな手口で狙ってくるのかを知っておくことです。
スリのパターンを知っておくことで、被害を未然に防げる確率がグッと上がります。
ここでは、海外でよくあるスリの手口を5つ紹介します。
- フレンドリーに話しかけてくる
- 集団での囲い込み
- 公共交通機関の混雑狙い
- レストラン・カフェでの置き引き
- バイクでのひったくり
フレンドリーに話しかけてくる
「写真を撮ってもらえませんか?」「どこから来たんですか?」と親切そうな笑顔で話しかけられつい気を許してしまい、その隙に貴重品を盗まれる。
これは海外のスリがよく使う古典的な方法です。「自分に興味持たれてるのかな」と親切に対応しているその隙に、別の仲間が背後や横からあなたのバッグから財布やスマホを抜き取っていきます。
写真や地図を広げて見せたりするパターンなど、注意を逸らそうとしている場合は要注意です。
ポイントは、彼らがチームで動いているということ。一人に気を取られている時こそ、周囲への警戒を忘れないようにしましょう。
集団での囲い込み
混雑した観光地など、人が多い場所も注意が必要です。
複数人グループの犯行でいつの間にか囲ってきて、わざと体をぶつけてきたり前でモタモタしたりして、意図的に混乱を作り出します。
そして気を取られているうちに、誰か一人が犯行に及びます。
スリのグループだと見破ることが難しく、普通の観光客に見えてしまうのがやっかいなところです。
混雑した観光地など、他の人と距離感が近くなるような場所では、特に注意をしましょう。
公共交通機関の混雑狙い
電車やバスの中の混雑時も注意が必要です。
特にドア付近の混雑は注意が逸れやすいので、スリにとって絶好の機会とないやすいです。
乗降時の人の流れに紛れて体を寄せてきて、バッグやポケットから貴重品を抜き取ります。リュックを背負ったまま乗っていると、自分では全く気づかないうちにファスナーを開けられてしまうことも。
満員の車内では、リュックは前に抱える、ショルダーバッグは体の前でしっかり手で押さえる、といった対策が必須です。
レストラン・カフェでの置き引き
「ようやく一休み…」とカフェやレストランで席に着いている時は気が緩みがちです。
足元に置いたバッグやテーブルの上に置いたスマホは、思っている以上に無防備です。落とし物拾うフリをしたりして、一瞬であなたの荷物を持ち去ります。
どんなに安全そうに見える場所でも、荷物は常に自分の視界に入り、体に触れる場所に置くようにしましょう。
また、トイレに行く際も貴重品を席に置いたままにすることも避けましょう。
バイクでのひったくり
これはスリというより強奪に近いですが、特に東南アジアや南米などで多い手口です。
歩道を歩いている時、特に車道側を歩いていると、後ろから来たバイクにバッグや手に持っているスマートフォンをひったくられるケースがあります。
スマホで地図を見ながら歩く「歩きスマホ」は、犯人からすれば「どうぞ盗ってください」と言っているようなもの。
歩道を歩く際はできるだけ建物側を歩き、スマートフォンは必要な時以外はカバンにしまっておくのが安全です。
スリ被害を防ぐための対策

ここでは、スリ被害を防ぐための対策について紹介します。
お金・クレジットカードは分散して保管する
現金やクレジットカードを、すべて同じ場所に保管するのはリスクが高いです。
もし盗まれた場合、すべての貴重品を失ってしまうからです。
それを避けるためには、これらの貴重品を複数の場所に分散して保管するのがおすすめです。
例えば、一部の現金は財布に、残りはウェストポーチの内ポケットに入れるなどの工夫をすると良いでしょう。
このように分散して保管することで、もし一部が盗まれても全てを失うリスクを減らすことができます。
必要以上の現金を持ち歩かない
大量の現金を持ち歩くことは、盗難のリスクを高めます。
観光地などで買い物をする際、財布に大量の現金が入っているのを見られていて、狙われるパターンもあるからです。
盗まれたとしても手持ちの現金が少なければ被害は少なくて済みますし、精神的なダメージも少ないです。
現金は必要な分だけ持ち歩き、クレジットカードメインで支払いをする、またはATMでお金を下ろしながら現地で行動したほうがいいです。
ウェストポーチは体の前に持つ
貴重品はウエストポーチ(またはセキュリティポーチ)に入れておき、体から離さず持っておくと安全です。
また、ウエストポーチは体の前で持つことも重要です。
背中に背負っていると、目に見えないためスリの格好の餌食となってしまいます。常に視界に入る位置に持っていることで、スリ予防に役立ちます。
ただし、ベルトの着脱部分が後ろに回ってしまうタイプは、防犯性が低くなります。簡単にベルトが分離できてしまうので、ウェストポーチ自体が盗みやすくなってしまうからです。
防犯性を高めたいのであれば、首下げポーチのほうがいいでしょう。
シンプルな服装を心がける
海外の旅行先では、できるだけシンプルな服装を心がけるのも大切です。
高級ブランドの服やアクセサリーを身につけると、スリに対して「私はお金を持っています」というメッセージを送っていることになります。
シンプルで控えめな服装を心がけて、高級ブランドはなるべく身につけないようにしたほうがいいです。
関連記事:シンプルがベスト!メンズ向け海外旅行の服装選びのポイント
防犯アイテムを利用する
スリから貴重品を守るために、ウェストポーチ、セキュリティポーチ、ネックストラップなど、防犯性の高いアイテムを利用するのもおすすめです。
これらのアイテムは身体に密着して着用できるので、スリの手から貴重品を守るのに役立ちます。
スリ防止に役立つアイテムは、海外旅行スリの対策グッズで紹介しています。
ホテルのセーフティボックスを利用する
状況に応じて、ホテルのセーフティボックスを利用することも検討してみてください。
全ての貴重品を一日中持ち歩く必要はないからです。
ただし、セーフティボックスに入れているからといって絶対に安全というわけでもありません。セーフティボックスに入れていたのに、盗難されていたケースもあります。
あくまで分散して保管する手段の1つとして考えて、万が一盗まれた場合に痛手とならない程度の金額を保管するほうがいいでしょう。
歩きスマホは極力避ける
海外を良好する際は、歩きスマホには要注意です。
歩きスマホをしていると、注意がスマホにいっている隙に盗まれる、スマホ自体を盗まれるといった被害があるからです。
スマートフォンは高価なものなので、スリにっとては魅力的なターゲット。
できるだけ「歩きスマホ」はせず、周囲の安全を確認しながら使うようにしましょう。
見知らぬ人からの声かけに注意
スリの1つの手口として、好意的に接してきたり、助けを求めるフリをして、こちらが油断した隙に物を盗むといったパターンもあります。
見知らぬ人からの突然の声掛けや、道案内、助けを求められた場合などは、警戒心を持つことが重要です。
純粋な親切心から声をかけてくれる場合もありますが、油断はしないようにしたほうがいいです。
また、いきなり体に触れてくるような人には要注意です。体に触れている部分に意識がいってしまい、その他の場所への警戒が疎かになるので、その隙に盗まれる可能性があります。
旅の安全性を高める!おすすめ防犯グッズ紹介
スリ対策は、便利な防犯グッズを上手に活用することで、さらに効果を高めることができます。
ここでは、海外旅行の安全性を高めてくれる、おすすめの防犯グッズをいくつか紹介します。
セキュリティポーチ
セキュリティポーチは、パスポートや現金、クレジットカードといった絶対に盗られたくない貴重品を、服の下など目立たない場所に身につけておくためのポーチです。
スリはまず「簡単に手が届くもの」を狙います。衣服の下に貴重品隠すことで、スリのターゲットにされにくくなります。
貴重品はできるだけ、肌身離さず、そして視界に入る位置に持っているのが一番無難です。
首から下げるネックポーチタイプや、腰に巻くマネーベルトタイプがあるので、自分の使いやすい方を選びましょう。
ワイヤーロック/南京錠
ドミトリータイプの部屋に宿泊する場合ですが、ワイヤーロックや南京錠があるとスリ対策になります。
南京錠は、ロッカーの施錠に利用したり、バッグのファスナー同士をロックして防犯性を高めることができます。
ワイヤーロックは、バックパックを一時的に固定したり、ぐるぐる巻きにして防犯性を高めることができます。
スリ被害に遭ってしまったときの対応方法

どんなに気をつけていても、運悪くスリの被害に遭ってしまう可能性はゼロではありません。
万が一スリに遭ってしまった場合は、まずは冷静になり、何を盗まれたのか確認しましょう。
- 財布(現金・クレジットカード)
- スマートフォン
- パスポート
- その他貴重品
何を盗まれたかによって、その後の対応が変わってきます。
クレジットカードを盗まれた場合は、カード会社へ連絡する
クレジットカードが盗まれたと分かったら、すぐにカード会社に連絡して利用停止の手続きをしましょう。
不正利用されてしまうと、被害がさらに拡大してしまいます。
事前に各カード会社の海外からの緊急連絡先を控えておき、すぐに電話できるようにしておくとスピーディーに対応できます。
なお、クレジットカードによっては、海外トラベルサポートが付帯しているカードもあります。パスポートの紛失や盗難時の手続き方法などを日本語で案内してくれるサービスです。
クレジットカードは、海外旅行保険が付帯していて、トラブル時のサポートが付いているカードを選ぶと安心です。
警察へ届け出をし紛失・盗難届を発行してもらう
何かしら盗まれた場合は、現地の警察署へ行き被害届を提出します。
そして必ず「紛失・盗難証明書(ポリスレポート)」を発行してもらってください。
この書類は、以下の状況で必要になります。
- 海外旅行保険の保険金を請求する際に必須
- クレジットカードの不正利用に関する手続きで必要になる場合がある
- 新しいパスポートや渡航書を申請する際に必要になることがある(パスポート紛失時)
言葉の壁があるかもしれませんが、翻訳アプリを使ったり、ホテルの人に手伝ってもらったりしながら手続きを進めましょう。
パスポートを紛失した場合は、日本大使館へ連絡する
海外でパスポートを紛失した場合、以下の2つの対応となります。
- パスポートの再発行
- 帰国のための渡航書を申請
上記の申請の際、警察署の発行した紛失届出が必要になるので警察に盗難届を出します。
その後、日本大使館に行ってパスポートの再発行、もしくは帰国のための渡航書を申請します。
申請には、戸籍謄本も必要となるので、万が一を想定して日本から1枚もっていくといいです。
海外でパスポートを紛失した際の対応については、外務省・海外安全ホームページ「パスポートについて」を参考にしてみてください。
海外旅行保険会社へ連絡
警察で盗難証明書を受け取ったら、加入している海外旅行保険会社にも連絡を入れましょう。
被害状況を報告し、保険金の請求に必要な書類や手続きの流れを確認します。
出発前にやるべきトラブル対策の準備

どんなに気をつけていても、トラブルに遭う可能性はゼロではありません。
そのため、海外でスリなどの被害に遭った時に、すぐに対応できるように準備しておくことも大切です。
日本を出発する前に以下の準備をしておくと、現地での対応もスムーズにできますよ。
- 貴重品などの予備を用意
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- パスポート、ビザ、航空券(eチケット)などのコピー
- 緊急連絡先の一覧を作成
-
- クレジットカード会社の紛失・盗難受付窓口
- 海外旅行保険会社の事故受付デスク
- 現地の日本大使館または総領事館の連絡先
- 現金の分散
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全額を一つの財布に入れるのではなく、スーツケース、ボディバッグ、セキュリティポーチなど、複数の場所に分けて保管する
- スマートフォンの紛失・盗難設定
-
- パスコードロック、指紋認証・顔認証の設定
- 「iPhoneを探す」や「デバイスを探す(Android)」機能のONを確認
貴重品や緊急連絡先は、デジタルと紙の両方で保存しておくと安心です。
少し面倒に感じるかもしれませんが、万が一のトラブル時にスムーズに対応できるようになります。ぜひ、パッキングの際に忘れずにチェックしてくださいね。
まとめ
ここまで海外旅行のスリ対策について、スリの巧妙な手口から予防策、そして万が一被害に遭ってしまった時の対処法まで解説してきました。
事前にスリの手口を知っておくことや、防犯の対策をしておくことでスリ被害のリスクを抑えることができます。
また、海外旅行をしていると、つい気が緩んでしまい無防備になってしまうこともありますが、できるだけ気を抜かないことも大切です。
ぜひ参考にしてみてください。
